蝦夷地別件

船戸与一蝦夷地別件』(上・中・下)ISBN:4101343136,ISBN:4101343144,ISBN:4101343152
今日、帰りの総武線快速の中で読み終わった本。
年末に金沢のホテルでNHKの「映像の世紀」のヤルタ会談とかの回の再放送を見て、福井の本屋で司馬遼太郎の「ロシアについて」(ISBN:4167105586)を買って京都までの間に読み終わって以来、個人的にロシア北方ブームだったのだが、その流れで東京までの帰り道に読もうと思って実家の近所で買ったのがこの上巻だった。
なんというか、冒険小説としては大変面白いのは確かなんだけどね。
最初に作者の写真(口ひげ、革ジャン、手にはタバコ)を見て抱いた予感が的中したというか、まぁ司馬遼太郎の後に読むのは可哀相だったかもしれないが。素人が気づくような考証のボロがいくつかあった。ロシア人が紅茶にジャムを入れて飲んでみたり。これ以前は現代ものばかり書いていた人らしいから、むしろこれほど大部の時代ものを書けることに驚くべきなのかもしれないけど。
しかしそれにしても言葉遣いがひどい。「〜している」がほとんど全部「〜してる」になっているのが気になって気になって仕方ない。あと、「波」とか「家」とかの普通名詞にことごとくロシア語かアイヌ語の振り仮名が振ってあるのには、全部の普通名詞がキーワード化されてしまった後のはてなダイアリー、のような鬱陶しさを覚えた。
あと、この作者はたぶんオッパイ星人